むくみってこまりものですよね。
顔はパンパンになっちゃうし、体も太ってウエストがキッツーい!
手も握りにくいし、これって体にも良くないんじゃないのかな?
お酒を飲んだ翌朝や、お鍋パーティーの次の日。
なんて原因が明らかな日もあるけれど、実はもっともっとむくむことってありますよね。
そんなあなたに、知らないと損してしまう情報があります。
むくみとカリウムのこと、カリウムとナトリウムの関係。カリウムとナトリウムがむくみにとても深く関係していることです。
そしてむくみ解消の手助けをしてくれるカリウムのサプリについてもご紹介しましょう。
カリウムサプリの効果、本当にむくみに効果的なのかどうか、その理由について検証します。
目次をチェック!
細胞にあるカリウムとナトリウム
人の体には、多くの水分が含まれています。
この体の細胞の、内側に含まれる水分とカリウムと少量の塩素を細胞内液といいます。
細胞と細胞の外にある、ナトリウムと塩素を含む水分を細胞外液といいます。
カリウムとナトリウムのバランスは重要で、このバランスが良くなければ細胞の働きが悪くなりますから、健康状態も悪くなってしまうのです。このバランスのことを浸透圧といいます。
浸透圧とは、濃度を一定に保つために濃度の高い液体に濃度の低い液体が移動して、高い濃度を薄める働きをいいます。
たとえばナトリウムをとりすぎて、カリウムが不足になると高血圧になります。
高血圧は、血液内のナトリウム濃度が高くなり、このナトリウムの濃度を薄めるために、体液が血管内に過剰に入って血管をパンパンに圧迫し、血圧を高めているのです。
高血圧は、心臓や脳の重い病気を起こす原因になりますので、日常生活で予防することが大切です。
このナトリウムに対して、カリウムはナトリウムの吸収を抑制し、尿中にナトリウムを排出させ体外に出してしまう作用があります。
ナトリウムが体の外に排出されることで、血液のなかのナトリウムの濃度は下がり、血圧も下がってきます。カリウムには血圧を安定化させる働きがあるので、高血圧の予防に効果的なのです。
この他にカリウムの生理作用としては、心臓の機能や筋肉の作用を調節します。
細胞内液の浸透圧が一定に保たれるよう、調整をしているのです。
現在日本人の食事では、カリウム不足とナトリウムの過剰摂取が深刻になってきています。
カリウムのむくみ解消効果
カリウムとナトリウムは、むくみに大いに関係があるのです。
細胞の外にあるナトリウム濃度が高くなると、浸透圧の関係で余分な水分を吸収してナトリウムの濃度を下げようという働きが出てきます。
この、余分な水分が細胞の外にたまってしまうことでむくみが生じてしまいます。
カリウムには、余分なナトリウムを体の外に排出させる働きがあるので、ナトリウムを排出させると同時に、水分も排出されるのでむくみが解消されるのです。
ナトリウムの多い食べ物とナトリウムの働きとは?
カリウムと関係の深いナトリウムとは、どのような働きをするのでしょうか。
カリウムのことを知るために、ここでナトリウムのはたらきについて知っておく必要があります。
ナトリウムの効果として、
- 浸透圧調節作用:細胞外液の浸透圧を一定に保つ作用
- ナトリウムのPH調節作用:体液が酸性に傾くのを防いでいる作用
- 水分代謝作用:血液の濃度によって水分量を調節する作用
- 筋肉収縮作用:筋肉の収縮と弛緩を調節する作用
- 神経刺激伝達作用:刺激という情報の伝達が神経細胞を通して行われている。これは細胞膜のイオンポンプの機能による作用による
- 栄養素吸収作用:腸管の粘膜で栄養が吸収される際にナトリウムイオンによって吸収がスムーズに行われる
このように、ナトリウムは様々な働きをしています。
ナトリウムが必要なのはわかりました。
ではナトリウムの摂取について、どのように工夫すれば良いかというと、普通の食事でナトリウムを摂取しているので、欠乏症の心配はほとんどないと言われています。
むしろ過剰摂取に気をつけるように言われているのです。
カリウムが不足するとどうなるの?
一方でカリウムが不足した場合、体はどのような状態になるのでしょうか。
まず自覚症状として脱力感、ボーッとするなどの症状が出ます。脱水状態になれば非常に危険です。詳しい症状は以下の通りです。
- 神経症状:知覚が鈍くなる、反射が低下する、
- 筋肉に現れる症状:脱力感、呼吸困難、不整脈、
- 胃腸症状:腹部膨満感、食欲不振、腸管麻痺、腸閉塞
- 精神的な症状:イライラする、神経が過敏になる、どうしていいかわからなくなる(混迷)、ボーッとする、
- 腎臓の症状:尿の量が少ない、尿の色が濃い、腎う腎炎にかかりやすい、膀胱麻痺、膀胱拡張
などです。
夏バテや脱水症状など、よく聞きますね。あの症状もカリウムの不足です。
全身に脱力感が襲ってきます。暑い日に汗をかいたままにしていると、カリウムも水分と一緒に蒸発してしまうのです。ですから、汗をかいたときは水分だけでなくカリウムの補充も必要です。
カリウムのむくみ以外の効果
カリウムはむくみの解消以外に、次の効果も科学的に証明されています。
- 血圧を下げる。
- 脳卒中を予防する。
- 低カリウム血症の治療と予防
カリウムを多く含む食品
カリウムが多く含まれる食品として主にあげられるのが、
アーモンド、小麦胚芽、干ブドウ、パセリ、ピーナッツ、にんにく、ほうれん草、ジャガイモ、バナナ、スイカ、リンゴ、柿、柑橘類、セロリ、さつまいも、小豆、牛乳、昆布、ワカメ、緑黄色野菜
などがあります。
注目の野菜として、スーパーベジタブルと呼ばれるアルファルファなどが、カリウムやカルシウム、マグネシウムまで多く含まれ、手軽に補給できるとして注目されています。
ただし注意としてカリウムは、調理すると水にとけだしてしまうので、煮汁も利用するなどの工夫が必要です。
カリウムは、不足することが多い傾向なので十分な摂取を心がけると良いと言われています。
カリウムとナトリウムの摂取量の割合
カリウムとナトリウムが、どちらも必要な成分ではあるけれど、バランスが大切だとご説明しました。ナトリウムを過剰に摂取しないよう気を付けることが大事でしたね。
それでは、具体的にどのようなバランスで摂取すれば良いのでしょうか。
実際に食事にはどのくらいの割合で、カリウムとナトリウムが含まれているのか知っておくことも重要です。
私たち人間は成人男性であれば、体内にカリウム約200g、ナトリウム100gが含まれていると言われており、割合はカリウムが多いのが普通です。
では、食品ではどうでしょう。
実は天然の食品も、カリウムが多目でナトリウムとバランスよく含まれています。
一方で加工食品や精製された食品が多い現代の食生活では、カリウムは少なくなってきています。反対にナトリウムつまり食塩が多くなっているのです。
素材別に300g当たりのカリウムとナトリウムの量(mg)を比較してみましょう。
まず、天然の食品では、
- 鶏肉 190:34
- 牛乳 150:50
- イワシ 440:95
- 豚肉ロース 49:26
- とまと 230:2
- 小麦 460:2
スーパーベジタブル(100g)3800:350
となっておりカリウムの量が多いことが明らかです。
一方で、加工食品では、
- 焼き鳥の缶詰 200:800
- バター 28:750
- かまぼこ 100:1200
- ロースハム 210:1100
- とまとジュース 260:230
- うどん 80:600
などと、カリウムとナトリウムの割合が逆転しているのがわかります。
なぜなのでしょうか。
加工食品が多い食事では、ナトリウムつまり食塩だけでなく、ハムやソーセージ等に食品添加物として使われる亜硝酸ナトリウムや、ソフトドリンク等に含まれている安息香酸ナトリウム、調味料に入っているLーグルタミン酸ナトリウム等からもナトリウムを摂取してしまっているのです。
このように手軽で身近にある加工品ですが、カリウムをとろうとするのであれば新鮮な果物や野菜をとらなければ不足してしまい、簡単にナトリウムを過剰に摂取することになってしまうのです。
ナトリウムをとりすぎれば高血圧の問題に結びついてしまいます。
食生活の問題
ここまでカリウムとナトリウムの関係や、必要性についてご説明しました。
どちらも体に必要な成分ではあるけれど、バランスが大切だということです。
そして、現代の食生活ではそのバランスが、ナトリウムの方に偏りがちになっている問題についても述べてきました。
ナトリウムが過剰に摂取されると、生活習慣病に陥りやすくなり危険であることについては皆さんがご承知の通りです。
さて、それではこのむくみの問題をどうすれば良いかということですね。先程ご紹介した食生活を見直して、改善することがもっとも望ましいということなのです。
けれども実際問題として、難しいところもあります。わかっているけれど、緑のお野菜やお魚を毎日調理するのは困難です。
「かといって居酒屋さんのお料理やお総菜ばかりでは、ナトリウムのとりすぎになっちゃうんでしょ?」
そうです。その通りなんです。美味しく味付けされているものってたいてい甘くてしょっぱくて、食欲をそそるものです。
「しょっぱくなければいいんじゃないの?じゃあ甘いもの食べていればいいよね。」
という方がいますが、甘い味は体が塩気を欲してしまうので、結局はこれも避けたほうがよいのです。
つまりだしの旨味やお酢などをうまく使い、薄味に体をなれさせることが重要なのです。
カリウム不足の今
カリウムの摂取について厚生労働省は、年々減っていると報告しています。
加工食品の普及などでいつのまにかナトリウムを摂取しがちな現代においては、意識してカリウムを摂取することが必要です。
カリウムは、むくみの予防だけでなく、生活習慣病のなかの高血圧の予防に効果的なのです。健康維持のため積極的に摂取することをおすすめします。
むくみ解消に効果的なカリウムサプリ
カリウムがむくみや高血圧に効果的であることはわかりましたね。
加工品やファストフードなど塩分が高い食事をとっている現代人には、特に必要であることもご説明した通りです。
かといって、すぐに食生活を変えることは難しい。変えられないからこそのお悩みですものね。
そんなときは、カリウムが入ったサプリメントを上手に活用しましょう。
調理する手間もなく、携帯さえしておけば、いつでもどこでも摂取できるのです。続けることが大事ですからそのためのサプリメントなのです。
ただし本来は、食事から摂取して欲しい成分です。サプリメントはあくまでも食品の補助として正しく使っていきましょう。
安全なサプリメントを選ぶポイント
サプリメントを選ぶときに注意したいことがあります。それは安全かどうかです。
カリウムは、安易に摂取するものではありません。
腎臓の障害がある人や、心臓疾患がある人、妊婦にはおすすめできません。
一般に市販されているものに、カリウムの過剰摂取について詳しく説明があるはずですから必ずよく読むことが大事です。
安全にサプリメントを選ぶポイントは、
- 安全な摂取量として、1日1600mg以内を守る。
- 輸入品は避けて国産のものにする。
- 表示として含有量・成分名・お問い合わせ先が明確に記載されていないものは避ける。
- 科学的に根拠がない効果を誇大にアピールしている商品は避けましょう。
サプリメントへの誤った考えかた
カリウムがむくみに効果的であることは説明しましたが、ダイエットに効果があるわけではありません。
「むくみがとれれば、やせるんじゃないの?」
という考えはよく聞きますがそれは誤りです。
カリウムは、あくまでも体を構成する細胞の水分調整しているのですからやせるわけではないのです。
体重の減少にはなりますが、それがダイエットにつながるわけではなく、過剰に摂取すれば弊害があります。
まとめ
カリウムはその効果と注意点を正しく理解していれば、非常に健康にとって役に立つ栄養素です。
その効果は、
- むくみを軽減する。
- 血圧を下げる。
- 脳卒中を予防する。
- 低カリウム血症の治療と予防
ということでした。
一方で効果がある反面、商品を正しく選ぶ必要があることと、過剰な摂取は体に害を及ぼすということです。
効果がよくわからないものには、十分注意をはらってサプリメントを効果的に生活に取り入れてみませんか。